亀の視力は一説によると「人間の視力と同じくらい」と言う説がある一方で、亀ははっきり物が見えていないという説もあります。
亀は呼ぶと走ってきたり餌も認識しているように見えますが、実際どうなのでしょうか。
今回は亀の視力は良いのか色は識別できるのかについてご紹介していきます。
亀の視力はどれくらいなの?
亀の視力は種類により異なるようですが、一般的な水棲亀の視力は概ね良いと思われています。
水棲亀は川や池で暮らしており、濁った水中での生活に視力はそれほど重要ではないように思えますが、水中で魚を追いかけたり離れた所に餌を置いても迷う事がないので水棲亀の視力はかなり良いと言えます。
水中で金魚を追いかける亀の参照動画
そして、最も視力が良いと言われる亀はリクガメ科のカメたちです。
特にガラパゴスゾウガメはガラパゴス島の火山島に住み、地面には亀裂や凸凹が多くあり一歩踏み間違えるとひっくり返ってしまいます。
そのような環境で生活が出来ているのは空間認識能力が発達しており物の形状を認識するほどに視力も高いからだと言えます。
亀は色を識別できる?
ほとんどの亀は色の識別ができると言われています。
草食性であるリクガメは黄色いものや緑のものによく反応を示します。
これは主食である植物の色を把握していると同時に色の識別が可能であるからだと言えます。
同様に肉食性の亀もはっきり認識出来ないものについては動きや色で判断していると言われています。
そして驚くべきことに、人間が主に3原色で色を捉えるのに対して亀は4原色も色が識別できるようです。
これは人間の3原色にプラス紫外線の識別が可能であるとされ、人間より亀の方がよりカラフルな世界が見えているのです。
亀がどのような世界が見えているのかは私たちにはわかりませんが、色の識別は実は人間よりも細部まで認識しているのです。
ウミガメが陸を目指せるのは何故なのか?
ウミガメは孵化後や産卵の時に陸を目指して行きます。
主にアカウミガメですと産卵は深夜に行われますが、なぜ真っ暗闇の中沖の海から陸を目指せるのでしょうか?
答えは月光です。
上記で説明した通り亀は人間の認識できる3原色以外に紫外線の識別も可能で、産卵は主に満月の前後に多くなります。
月の光には微量の紫外線が出ておりウミガメはそれを感知します。
月の光が海面を反射することによってウミガメを陸まで導くのです。
孵化後の赤ちゃん亀たちも同様で太陽、月の光の反射で海を目指します。
一方で孵化した直後の子ウミガメは街灯を月と誤認し海へたどり着けなくなるという事があります。
これは街灯に含まれる紫外線に反応してしまい海とは方向の違う場所へ行ってしまうからです。
こうした問題を解決するために亀の産卵地域によってはLED電灯が推奨されるようになりました。
LEDは白熱灯や蛍光灯と違い紫外線を発することがないので、ウミガメが街灯の光を月と誤認するリスクが減りました。
まとめ
亀の視力は種類により異なり生活環境に応じた視覚になっていると考えられますが、全体を通しても亀は視力が良いと言えます。
色の識別は実は人間よりも優れていて、紫外線の認識も可能で遥か沖にいるウミガメが月光の反射を頼りに陸を目指していけるほどです。
しかし、街灯を月と誤認し海にたどり着けない子ウミガメが多く発生し生息数の減少を危惧され一部地域ではウミガメに優しいLED電灯が推奨されるようになりました。
こうした取り組みが各地で推奨されウミガメが安全に陸や海を行き来できるようになると良いですね。