亀に毛が生えるというのをご存知でしょうか?
正確には毛ではなく藻です。
この藻の生えた亀をミノガメと言いますが、その姿から毛が生えていると言われます。
多くの文典にも登場し、縁起がいいものとされています。
今回はミノガメの藻の正体や生える場所、健康上果たして藻が生えていても良いのかご紹介します。
亀は毛が生えるの?
亀には毛が生えます。
正確には毛ではなく「藻」です。
この藻が生えている亀を蓑亀(ミノガメ)と言います。
古来よりこの蓑亀は縁起が良いものとされ、長寿の証として珍重されました。
なぜ縁起が良いのかは定かではありませんが、四字熟語に「亀毛兎角」という語があります。
これは亀に毛が生えたりウサギに角が生えるのはありえないという意味です。
通常起こりえない希少性から蓑亀は縁起が良いものとされるようです。
蓑亀は5世紀の中国の書物に記述され、後に日本に伝えられました。
中国では藻を人工的に作り出す育成書が販売されるなどミノガメは人気です。
ミノガメは通常水棲ガメの事を言い、ウミガメにも同様に藻が生えますが、短く長くはもたないようです。
これは淡水と海水により自生する藻の種類が異なるためだと思われます。
参考動画
毛の長さや生える場所は?
藻が生える場所はまちまちであり、多くは甲羅を覆うように緑の藻が生えますが、頭の一部に生えたり尻尾に生えたりもします。
長さは長いもので10cmを超えるまでに藻が成長して行きます。
尻尾に長く生えた藻を持つミノガメは特に縁起の良いものとされ、多くの文学に登場するミノガメは尻尾に立派な藻を構えています。
蓑亀の藻は緑藻類というもので青のりなど属しており、新しい研究ではミノガメの藻はマリモに近いものとされており、生命力が高く他の藻が消滅しても残り続け、暗所にも強く亀が冬眠しても残ります。
健康上あまり良くない?
藻が生えたミノガメは縁起が良いとされてはいますが、実は健康上あまり良くありません。
亀は日光浴することでビタミンを生成しており、甲羅や体に藻が生えると十分な日光を浴びることが出来ずにビタミン不足になります。
亀はビタミン不足になるとカルシウムの吸収に支障が来たし甲羅が柔らかくなったり、変形したり最悪くる病になります。
くる病とは、ビタミン不足によりカルシウムの吸収が阻害され起こる骨の疾患です。
生後間もない子亀が多くかかる病であり、一度くる病にかかり甲羅が変形すると元に戻ることはありませんので注意が必要です。
藻が生えるのは日光不足や水質の低下が原因で、しっかり日光浴をさせ、定期的に水の入れ替えをする必要があります。
もし亀の甲羅に藻が生えたら掃除をする必要がありますが、その際にたわしでゴシゴシ洗うことは良くありません。
亀の甲羅は硬いですが実はデリケートでたわしなどで掃除すると簡単に傷がつき、その傷に細菌やウイルスなどが侵入し感染症などを引き起こします。
掃除の際は日光浴をしっかりさせて甲羅を乾燥さしてティッシュなどで拭き取るのがいいです。
まとめ
亀に藻が生えているのをミノガメと言います。
このミノガメの藻はマリモに近いものとされています。
縁起の良いものとされますが、亀の健康上あまり良いとは言えないので、亀の掃除を定期的にしましょう。
藻が生える場所は様々であり、多くは甲羅に生えていますが、日光浴の妨げになるので飼育下では藻が自生して来たら取り除きましょう。
取り除く際はブラシやタワシなどでゴシゴシ洗うのではなく、甲羅を十分に日光で乾かし優しく掃除しましょう。