亀がどこに耳があって音は聞こえているのかなど疑問に思う人は多いです。
なぜなら亀は人間のような耳は持っておらず、一見すると耳らしき物は無いからです。
ところが亀にもちゃんと耳はあります。
今回は亀の耳や聴力、他の爬虫類の耳の特徴なども合わせてご紹介します。
亀には耳がある
亀の耳は一見するとないように見えますが、しっかり耳は付いています。
しかし、人間や他の哺乳類の動物とは異なり、耳介(音を集める器官)や外耳という音が反響して鼓膜へ伝わる器官がなく、直接鼓膜が露出した形になっています。
そのため耳の形状は私たちが思っている耳とは随分違った物になっています。
耳の場所はどこ?音は聞こえるの?
亀の耳の場所は目のやや後ろ付近にあり、皮膚がくぼんでいます。
鼓膜が直接露出しており薄い膜のようなもので覆われています。
音を聞き取ることはできますが、外耳がないため直接鼓膜に外部の音が振動し脳に伝わっていると考えられています。
したがって、鮮明に聞き取ることはできないようです。
一説によると亀の聴力は人間の20分の1程度しかないようで、耳はあまりよくないようです。
犬に吠えられても無反応な亀 参考動画
他の爬虫類の耳はどうなの?
亀の耳は鼓膜が露出したものになっていますが、他の爬虫類の耳はどうなっているのでしょうか。
ヘビやトカゲ、ワニを参考として紹介します。
ヘビ
蛇の耳は退化しており鼓膜がありません。
一説によると、ヘビは地面を這いずって生活しているため空中での音を認識するよりも地面の振動などを把握することに長けたようで、下顎を地面につける事により辺りの動物のわずかな動きの振動を感知します。
蛇使いが笛でヘビを操っていますが、ヘビは笛の音に反応しているのではなく笛の動きや動く物に反応しています。
参考動画
トカゲ
トカゲの耳は種類により異なるのですが、通常耳孔(じこう)と呼ばれる私たちで言う「耳の穴」があり奥に鼓膜があります。
カメとは違い鼓膜が露出しておらず耳の穴があるので、亀よりも聴力が発達していると考えられています。
京都大学の研究によると、トカゲの耳は天敵の鳴き声や音を聞き分けるために発達したと言われており、有鱗目(へび、カメレオン、イグアナ、トカゲ)の中で唯一聴覚が優れています。
ワニ
ワニの耳は目の後ろに耳孔があります。
水中での生活に適応しており、耳孔を自由に閉じることができます。
そのため、水中で耳の穴に水が入る事はありません。
ワニはヘビと同様で地面の振動で音を感知しています。
ただし、ヘビと異なり鼓膜があるので空中での音を聞き取ることができます。
爬虫類の中でワニの聴力は極めて高いと言えます。
亀の祖先恐竜の耳はどうなの?
亀の祖先であると言われている恐竜の耳は、目の後あたりに耳孔があるという現生のトカゲやワニに近いものであったと考えられています。
聴力はあまり優れたものではなく、仲間や外敵の声が識別できる程度のものであったようです。
種類や生活仕様で異なると思うのですが、爬虫類にとって耳で音を認識するというのはあまりメリットのある事ではないのかもしれません。
まとめ
亀の耳は目のやや後ろにあり、哺乳類動物のような耳介はなく鼓膜が露出しています。
亀以外の爬虫類は目の後ろに穴が空いており、鼓膜が奥にあります。
亀を含めた多くの爬虫類は総合的に耳があまりよくなく、蛇においては耳が完全に退化しており、地面のわずかな振動を頼りにしています。